条件はありますが、国民年金保険料の納付が全額または一部免除される特例免除申請の受付が5月1日から始まっています。
今回は10万円の給付金(特別定額給付金)に比べて影の薄いこちらの制度について解説してみたいと思います。
1.申請にマイナンバーカードは必要なし!
とりあえず、先に声を大にして言います。
申請にマイナンバーカードとICカードリーダライタ(もしくはスマホ)は要りません!
申請は基本的に郵送となります。
オンラインでの申請はありません。
※ただし、申請用紙のダウンロード&印刷は必要です。
窓口での提出も可能なようですが・・・
※申請書等を直接提出していただくことも可能ですが、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、できる限り郵送による手続きをご利用ください。
引用元:日本年金機構HP 新型コロナウィルス感染症の影響による減収を事由とする国民年金保険料免除について
URL:https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/0430.html
との事なので、郵送しましょう。
2.申請手順
具体的な申請手順を見ていきましょう。
(1)申請書をダウンロード
国民年金保険料免除・納付猶予申請書及び所得の申立書を日本年金機構のHPからダウンロードします。
必要であれば記入例も一緒にダウンロードしましょう。
(2)ダウンロードした書類の必要事項を記入
ダウンロードした書類を印刷し、HP上にある「所得の申立書の記入方法」や記入例を参考に記入していきます。
なお、自宅にプリンターが無い方はダウンロードしたファイルをUSBメモリやSDカードに保存し、コンビニのマルチコピー機等で印刷しましょう。
(3)添付書類(必要な場合)を添えて郵送
①国民年金保険料免除・納付猶予申請書
②及び所得の申立書
③必要な添付書類
以上を住民登録をしている市(区)役所・町村役場または年金事務所へ郵送すればOKです。
3.特例免除申請の対象者や免除期間、免除区分などは?
(1)対象者
対象者については、
臨時特例による国民年金保険料の免除・猶予及び学生納付特例申請は、以下の2点をいずれも満たした方が対象になります。
(1)令和2年2月以降に、新型コロナウイルスの感染症の影響により収入が減少したこと(2)令和2年2月以降の所得等の状況から見て、当年中の所得の見込みが、現行の国民年金保険料の免除等に該当する水準になることが見込まれること
引用元:日本年金機構HP 新型コロナウィルス感染症の影響による減収を事由とする国民年金保険料免除について
URL:https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/0430.html
と記載されています。
これだけだと分かりづらいですので、Q&Aも参照してみましょう。
Q2 「新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少」とありますが、この「新型コロナウイルス感染症の影響」とは、どのような範囲をいいますか。直接的な影響だけでなく、間接的な影響も含めてよいのでしょうか。
引用元:新型コロナウイルス感染症の影響に伴う国民年金保険料臨時特例免除に係るQ&A
(回答)
今般の臨時特例は、経済社会全般に重大な影響が及んでいることなどを鑑みて講じた措置であり、勤務日数の減少、営業時間の短縮、休業要請による業務委託契約の解除などの直接的な影響に限られず、収入の減少の事実があれば、広く該当することとなります。
URL:https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/0430.files/09.pdf
という事なので、かなり難易度は低そうです。
(2)免除期間
免除期間はとりあえず令和2年2月分から6月分までとなるようです。
7月分以降は後日別途申請必要との事。
令和2年2月分以降の国民年金保険料が対象となります。
引用元:日本年金機構HP 新型コロナウィルス感染症の影響による減収を事由とする国民年金保険料免除について
URL:https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/0430.html
Q5 臨時特例は、何月分の国民年金保険料から適用されますか。
引用元:新型コロナウイルス感染症の影響に伴う国民年金保険料臨時特例免除に係るQ&A
(回答)
(学生以外の場合)
臨時特例については、令和2年2月分から6月分までの国民年金保険料に適用されます。
なお、令和2年7月分以降の保険料の免除等については、次の免除期間(令和2年度の免除期間)での申請手続となりますので、令和2年7月以降に改めて申請していただくことが必要です。
URL:https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/0430.files/09.pdf
(3)免除区分
所得基準によって①全額、②3/4、③1/2、④1/4の4段階の区分があります。
なお所得の見込額についてはQ&Aに下記の記載があります。
Q7 「所得の申立書」に記入する所得の見込額は、どのように計算すればよいですか。
(回答)
所得の見込額の計算にあたっては、以下の手順で算出してください。① 令和2年2月以降で収入が減少した月のうち、任意の1か月の収入の事業収入、不動産収入、給与収入、公的年金等収入を合計し、1か月分の「収入額」を算出します。⇒(A)
② ①で計算した額(A)を12か月分に換算し、1年分の「収入見込額」を算出します。⇒(B)
③ 以下を参考に控除相当額を算出し、12か月分に換算して年間の控除相当額を算定します。⇒(C)
・事業収入及び不動産収入がある方は、1か月あたりの必要経費を算出し、12か月分に換算します。
・給与収入がある方は「給与所得控除」を計算します。
給与所得控除:Bの額のうち給与収入分(見込収入額)×40%
(上記計算式の結果、65万円に満たない場合は65万円)
・公的年金等収入がある方は「公的年金等控除」を計算します。
公的年金等控除:65歳未満の者 → 70万円 65歳以上の者 → 120万円
④ ②で計算した額(B)から③で計算した額(C)を差し引くことにより、所得の見込額(控除後の所得見込額)を算出します。⑤ 所得の申立書の「収入が減少した後の所得見込額(必要経費等の控除後)」欄には、④で算出した所得の見込額(控除後の所得見込額)を記入してください。
引用元:新型コロナウイルス感染症の影響に伴う国民年金保険料臨時特例免除に係るQ&A
URL:https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/0430.files/09.pdf
また令和2年2月以降のどの月をどの月を「任意の1ヶ月」として選ぶかについてはQ&AのQ8に下記のような記載があります。
(回答)
令和2年2月以降の収入であれば、何月の収入を用いていただいても構いません。ただし、将来の月の収入の見込みではなく、実際に収入が減少した実績のある月の収入で計算してください。
令和2年2月から申請月までの間で、収入が減少した任意の月(例えば、最も収入が下がった月)の収入を基に申請して下さい。
引用元:新型コロナウイルス感染症の影響に伴う国民年金保険料臨時特例免除に係るQ&A
URL:https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/0430.files/09.pdf
また収入額について何らかの証明書を提出する必要は無いとの事。
(ただし、後日、収入額の証明書類の提出を求められる場合あり)
3.免除になった場合のメリット・デメリット
(1)メリット
・保険料の支払いに手元資金を充てる必要が無くなる
・免除された期間は未納期間ではなく年金の受給資格期間に算入される
・10年以内であれば追納可
(2)デメリット
・後日追納しないと将来もらえる年金額は減る
(免除期間は保険料収めた時に比べ2分の1に)
・追納する場合、免除を受けた期間の翌年度から起算して3年度目以降は、当時の保険料に一定の金額が加算される。
4.その他注意点
HPの記載内容やQ&Aをよく確認して頂きたいですが、特に気になったのは、
・免除が承認された場合、付加年金や国民年金基金は利用不可に
・申請手続き前に納付された保険料は還付されない
の2点です。
該当する方が多いと思いますので注意して下さい。
なお、失業や退職された方は「特例免除申請」だけでなく「失業等による特例免除」という制度も常設されています。
5.国民健康保険料も同様に免除や減額?
自治体によって対応状況が異なるようですが、国民健康保険料についても免除や猶予の制度がある(もしくはできる)ようです。
条件や現在の状況については自治体のHPをご確認下さい。
まとめ
如何だったでしょうか。
特別定額給付金の陰でひっそりと?行われている国民年金保険料の特例免除申請。
お金がもらえる訳ではありませんが、免除となるのは有り難いですね。
せっかくある制度ですので、一度申請を検討されては如何でしょうか。
ではまた。
個人で申請可能な給付金や支払いの減免措置についてまとめました。