インデックスファンドを例に株価下落局面における資産クラスの分散効果を確認

下落増やす
増やす

新型コロナウィルス(COVID-19)の感染が世界中に拡大している影響を受け株価が下落しています。

今週の下落率はリーマンショック以来の大きさである、と大騒ぎになってますね。

米株はS&P7日続落、週間では08年以来の大幅な下げ

引用元:ロイター
URL:https://jp.reuters.com/article/ny-stx-us-idJPKCN20M3CS

【米国株・国債・商品】S&P500種、週間で11%安-原油45ドル割れ

引用元:Bloomberg
URL: https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-02-28/Q6EFLYT1UM0Z01?srnd=cojp-v2

一方で、債券は値上がりしており、資産クラスによって値動きが違ってきています。

パニック相場の時こそ、一歩下がって冷静に・・・ということで、まずは現状を把握するためにこの一週間の資産クラス別の騰落状況を確認していきたいと思います。

1.アセットクラス 株式

(1)先進国株式

まずは先進国株式を確認してみましょう。

ここでは、当ブログでもお馴染みのeMAXIS Slim先進国株式インデックスを例に確認します。

21日の基準価額:14,067円
28日の基準価額:12,301円
一週間の騰落率:-12.55%

10%を超える下落ですね。

ただ、そもそも今回の下落が開始するまで過去最高値付近だった事もあり、2月28日まで(2019年3月1日から2020年2月28日)の1年間騰落率は+4.96%です。

2年だと+11.52%、3年だと23.19%という高水準になります。

まあ、実際は積立で購入している方がほとんどだと思いますので、自身の運用成績はマイナス圏に突入しているか、トントンぐらいでしょうけど・・・

(2)新興国株式

おなじくeMAXIS Slim新興国株式インデックスのケースを確認しましょう。

21日の基準価額:10,830円
28日の基準価額:9,955円
一週間の騰落率:-8.08%

やはりこちらも約8%という大幅な下落率です。

現在の所、先進国株式よりは下落幅が少ないですね。

(3)国内株式

国内株式も確認しましょう。
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)を例に見ていきます。

21日の基準価額:11,498円
28日の基準価額:10,381円
一週間の騰落率:-9.71%

こちらも10%近い下落となっています。

下落

2.アセットクラス 債券

(1)先進国債券

次は債券の資産クラスを確認しましょう。
まずは先進国債券から。
eMAXIS Slim先進国債券を例に確認します。

21日の基準価額:11,251円
28日の基準価額:11,151円
一週間の騰落率:-0.89%

下落はしていますが、株式の資産クラスに比較すると下落幅はずっと少ないですね。

(2)新興国債券

新興国債券はiFree 新興国債券インデックスを例とします。

21日の基準価額:12,134円
28日の基準価額:11,669円
一週間の騰落率:-3.98%

約4%と新興国株式の下落率の半分程度になっています。

(3)国内債券

国内債券クラスはeMAXIS Slim国内債券です。

21日の基準価額:10,307円
28日の基準価額:10,396円
一週間の騰落率:+0.71%

わずかではありますが、上昇しています。

3.考察

ここまでの騰落率をまとめると下記のようになります。

先進国株式先進国債券新興国株式新興国債券国内株式国内債券
期間騰落率
2月21日~2月28日
-12.55%-0.89%-8.08%-3.98%-9.71%+0.71%

これを見る限りではやはり株式と債券は別の値動きをするという事が良くわかります。

今週の結果に限って言えば、株式一辺倒ではなく、債券をアセットアロケーションの中に組み込んでおけば、資産全体の下落率をかなり抑える事ができたはずです。

一方で、新興国債券に関しては先進国債券や国内債券に比べると下落率が大きくなっています。

債券の組み入れ目的を「資産全体の値動きの振れ幅を抑える事」と捉える場合、新興国債券の組み入れ効果は判断が分かれるところではないでしょうか。

ただ、今回の結果に関して言えば、今週の大きな為替変動の影響もあって騰落率が下振れしている側面もある(新興国債券だけでなく海外資産クラス全般)のではないかと。
(円高に振れると海外資産は円建てベースで目減りする。)

ちなみに、私自身は新興国債券のアセットクラスへの投資は行っていません。
「資産全体の値動きの振れ幅を抑える事」を目的とした場合、新興国債券の組み入れは適切でない、と考えているからです。

ということで、次は為替の影響について見ていきます。

4.海外株式・債券のアセットクラスでは為替の影響も無視できない

この一週間は株価だけでなく、為替でも大きな変動が見られました。

ドルは円に対しこの一週間だけで最大4円以上の下落(円高)となっています。
騰落率に換算して-3.7%程度の下落です。
→各種事情を無視し、極端に言えば株価の変化が全く無かったとしても、円建ての騰落率は-3.7%だったという事。

この為替変動がどの程度影響を及ぼすのか、為替ヘッジの有無が選べる「たわらノーロード」シリーズを例に見てみます。

(1)先進国株式

たわらノーロード先進国株式とたわらノーロード先進国株式<為替ヘッジあり>を比較しましょう。

基準価額
2月21日
基準価額
2月28日
期間騰落率
為替ヘッジ
無し
15,177円13,271円-14.36%
為替ヘッジ
あり
14,753円13,163円-12.08%

為替ヘッジありの方が騰落率約2.28%高いという結果になってます。

ただし、為替ヘッジを行う場合ヘッジコストが必要になりますので、コストに見合った結果なのかどうかは不明です。
また、理論上、円安局面では為替ヘッジを行わない方が為替差益分リターンが伸びます。

(2)先進国債券

先進国債券もたわらノーロードを例に見ていきましょう。
たわらノーロード先進国債券とたわらノーロード先進国債券<為替ヘッジあり>を比較します。

基準価額
2月21日
基準価額
2月28日
期間騰落率
為替ヘッジ
無し
10,390円10,298円-0.893%
為替ヘッジ
あり
10,284円10,373円+0.865%

為替ヘッジ無しの場合は若干のマイナス、ありの場合は若干のプラスという結果になりました。

ただし、為替ヘッジを行う場合ヘッジコストが必要になりますので、コストに見合った結果なのかどうかは不明です。
また、理論上、円安局面では為替ヘッジを行わない方が為替差益分リターンが伸びます。

(3)一応為替ヘッジの効果はありそう

上記2つの比較を見る限り、為替ヘッジの効果はある程度出ているように見えます。
とは言え、実際の為替変動を全くなかった事に出来ている訳でもなさそう。

円安時のリターンの減少とヘッジコストの増加との兼ね合いも踏まえての判断となると思いますが、どうでしょうか。

将来的にはわかりませんが、バブル崩壊後は株価暴落局面=円高が当てはまるケースが多いので、その傾向が続く限りは資産全体の変動率を抑える事を目的に為替ヘッジの商品を選ぶというのもありかなと思います。

期待リターンやコストを更に考慮した場合にどうするかは難しいところですが、私自身は為替ヘッジの商品を自身のアセットに組み入れていません。

コストやリターンの問題もさることながら、値動きが直感的にわかりやすい方が好ましいという側面が大きいですね。

今回の結果はあくまで局地的な1週間を取り出した特殊なケースに過ぎず、本稿はすべて素人であるサイト管理人の個人的見解です。

実際に投資を行う場合は、ご自身の責任に基づき投資判断を行って下さい。

まとめ

如何だったでしょうか。

資産が下落すると不安になりますが、再度自身のリスク許容度を見直すいい機会です。

冷静に自身の投資姿勢を振り返りましょう。


ではまた。




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