インデックスファンドやETFに投資する場合、国内・先進国・新興国というカテゴリーと債券・株式という投資商品の組み合わせで資産配分を決める事になります。
今回はその先進国や新興国といったカテゴリーの中身がどんな割合となっているのか確認します
1.株式
(1)FTSEとMSCIの違い
国別割合以前に、主なベンチマーク算出企業であるFTSEとMSCIでは数カ国のカテゴリー分けが異なります。
具体的には、
・韓国とポーランド
→FTSEでは先進国、MSCIでは新興国
・クウェートとパキスタン
FTSEでは新興国、MSCIでは含まない。
といった点が異なります。
また、FTSEは小型株を含みますがMSCIでは大型株と中型株のみを対象としている点も要注意です。
(2)eMAXIS Slim先進国株式インデックス
では具体的に見ていきましょう。
まずはeMAXIS Slim先進国株式インデックスです。
ベンチマーク:MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース)
アメリカが7割近くを占めています。
ヨーロッパ各国を合わせても20%弱と、先進国とは言えほぼアメリカ株式に近いですね。
(3)eMAXIS Slim新興国株式インデックス
次は新興国株式としてeMAXIS Slim新興国株式インデックスを見てみましょう。
ベンチマーク:MSCIエマージング・マーケット・インデックス(配当込み、円換算ベース)
ケイマン諸島は実質中国だと思われます。
(18.6%うち10.7%はアリババとテンセント。残り8.6%は不明ですが中国企業と思われる。)
全体の30%超が中国とみて良いでしょう。
(香港も香港市場に上場している中国企業だと思われる。)
今後も中国の割合が増えていくのでしょうね。
(4)楽天・新興国株式インデックス・ファンド
FTSEの新興国株式クラスも確認しましょう。
楽天・新興国株式インデックスファンドを例に見てみます。
ベンチマーク:FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・ インデックス(円換算ベース)
MSCIと比較して韓国が無くなっている分、他国の割合が増えています。
またタイやマレーシアといった東南アジア勢やメキシコがサウジアラビアよりも上位に位置していますね。
2.債券
次に債券の資産クラスについて具体的に見ていきましょう。
(1)eMAXIS Slim先進国債券インデックス
先進国債券の資産クラスはeMAXIS Slim先進国債券インデックスを確認してみます。
ベンチマーク:FTSE世界国債インデックス(除く日本、円換算ベース)
アメリカの割合が50%を切っていますね。
株式と比較すると大きく割合が下がっています。
一方で株式の上位には出てこなかったイタリアやベルギーといった国の割合が高くなっていますね。
ちなみに、イタリア国債の格付けは”投機的”の一歩手前ですので、コロナウィルスの影響次第では(格付けが下がると)先進国債券の投資対象から外れる可能性もあります。
(2)eMAXIS新興国債券インデックス
(Slimじゃない方の)eMAXIS新興国債券インデックスを例に確認します。
ベンチマーク:JPモルガンGBI-EMグローバル・ダイバーシファイド(円換算ベース)
株式の顔ぶれとは全く異なりますね。
まず株式では最大割合を占めていた中国が含まれていません。
韓国、台湾、インドもありませんね。
同じ新興国でもかなり顔ぶれが違います。
新興国だから・・・といって株式と同じ顔ぶれを想像していると、ふたを開けたら全く違う、という事にもなりかねません。
注意しましょう。
まとめ
如何だったでしょうか。
資産クラスやベンチマークによって対象国が異なるケースがあるのがハッキリしたと思います。
自身の総資産を管理する時は、投資国別の表やグラフを作ってみるのも面白いですよ。
ではまた。